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お知らせ 【解説】本人サポートとは? 裁判IT化で操作が不安な人を支える仕組みを司法書士が解説

この記事の結論(先に要点)

  • 本人サポートとは、裁判そのものを任せるのではなく「システム操作や書類提出」だけを専門家に手伝ってもらう仕組み。
  • 「サポータ」(提出の補助)や「システム送達受取人」(裁判所からのお知らせを代わりに受け取る役)がある。
  • 最大の注意点は「送達の期限管理」。お知らせは通知から1週間で受け取ったことになり、そこから控訴などの期限が進む。

ここまで、民事裁判のIT化で「書類のオンライン提出」「Web会議での参加」が広がったとお伝えしてきました。便利になる一方で、こんな声も聞こえてきそうです。

「パソコンが苦手なのに、ついていけるだろうか」
「自分で裁判はしたいけれど、システムの操作だけが不安」

こうした方のために用意されたのが、今回ご紹介する「本人サポート」という考え方です。

本人サポートとは──「操作」を手伝ってもらう仕組み

本人サポートとは、ごく簡単に言えば、弁護士や司法書士に裁判そのものを任せるのではなく、システムの操作や書類の提出といった“事務的な部分”だけを手伝ってもらう仕組みです。

たとえば、こんなことを支援してもらえます。

  • 裁判所の専用システムのアカウント作成や、ログインの手伝い
  • 手書きのメモや紙の証拠をスキャンしてデータ(PDF)にする作業
  • 書類をシステムにアップロードする操作の補助
  • 「サポータ」として、ご本人に代わって書類を提出すること
  • 「システム送達受取人」として、裁判所からの電子的なお知らせを代わりに受け取ること

「パソコンやスマホがない」という方でも、専門家の機器を使わせてもらったり、提出や受け取りを代わりにやってもらったりできる、というイメージです。

「代理」とは違う、という点に注意

ここで誤解しやすいのが、本人サポートと「訴訟代理」の違いです。

訴訟代理は、専門家があなたの代わりに裁判所へ出向いたり、書面を作って提出したりすること。一方、本人サポートは、あなたが主役で、専門家はその操作面を支える役割です。

そして大切なのは、本人サポートだけを頼んだ場合、書類の中身についての法律相談は含まれないという点です。「この主張で勝てるか」「相手の反論にどう答えるか」といった助言は、本人サポートとは別に、司法書士の書類作成や相談として改めてご依頼いただくことになります。ここは制度上の線引きとして、はっきりさせておくべき部分です。

いちばん怖いのは「お知らせの見落とし」

本人サポートを語るうえで、ぜひ知っておいていただきたい注意点があります。それが、裁判所からの「お知らせ(送達)」の期限管理です。

IT化後は、判決などの重要な書類が、システムを通じて電子的に届きます。このとき、送達の効力(=正式に受け取ったとみなされるタイミング)は、「内容を見た時」「ダウンロードした時」、あるいは「お知らせの通知が出てから1週間が過ぎた時」のいちばん早いタイミングで発生します。

つまり、気づかずに放置していても、通知から1週間で“受け取った”ことになってしまうのです。そして、その時点から控訴(不服申立て)などの期限が進み始めます。システムには「期限はこの日まで」と親切に表示してくれる機能はないため、自分で日付を数えて管理する必要があります

これは、慣れない方が一人で抱えると、思わぬ失敗につながりやすいところです。長期の海外出張や旅行の予定がある方は特に注意が必要で(システムの仕様上、海外からはアクセスできません)、こうした場合に「システム送達受取人」を専門家に頼んでおく、という使い方も考えられます。

当事務所での向き合い方

当事務所でも、ご本人で裁判を進める方に対して、こうした考え方に沿った支援を行っています。

書類づくりの場面では、ご本人の言いたいことを裁判所に提出する形(訴状や準備書面)に整えるお手伝いをします。そのうえで、作成した書類をデータ化して提出する、といった操作面のつまずきも支えます。「中身の組み立て」と「手続の操作」、どちらも不安――という方に寄り添える体制です。

一方で、先ほどお伝えしたとおり、期日への出席やWeb会議での発言は、ご本人に行っていただく部分です。「どこまでをお願いでき、どこは自分でやるのか」を最初に明確にすることで、安心して進めていただけます。

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まとめ──「全部自分」でも「全部おまかせ」でもない道

本人サポートは、「自分で裁判をしたいが、デジタルの操作だけが不安」という方のための仕組みです。ただし、書類の中身の助言は別であること、そして何より送達の期限管理という落とし穴があることは、ぜひ覚えておいてください。

当事務所では、書類の作成から操作面の支援まで、ご本人の状況に合わせてサポートします。「自分のケースだと、何をどこまで頼めるの?」という段階のご相談も歓迎しております。

次回はシリーズ最終回。「140万円」という金額を境に、専門家にできることがどう変わるのか――簡裁の代理と地裁の本人訴訟支援の違いを整理します。


よくある質問(FAQ)

Q. 本人サポートと、弁護士・司法書士に依頼するのは何が違いますか?
A. 訴訟代理は専門家があなたの代わりに手続を進めますが、本人サポートはあなたが主役で、システム操作や書類提出といった事務的な部分を手伝ってもらう仕組みです。

Q. 本人サポートを頼めば、勝てる主張も教えてもらえますか?
A. 本人サポートだけでは、書類の中身についての法律相談は含まれません。主張の組み立てや見通しの相談は、書類作成や相談として別にご依頼いただく必要があります。

Q. 裁判所からのお知らせを見落とすとどうなりますか?
A. 電子的なお知らせは、内容を見た時・ダウンロードした時のほか、通知が出てから1週間経過した時点でも「受け取った」ことになります。その時点から控訴などの期限が進むため、見落としに注意が必要です。


📎 公的情報もあわせてご確認ください

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  4. 「IT化についていけない」人のための本人サポート制度(本記事)
  5. 「140万円」を境に何が違う? 簡裁の代理と地裁の本人訴訟支援

【監修】司法書士法人 飯田綜合法務事務所

司法書士 高田 和征(簡裁訴訟代理等関係業務認定番号 第701136号)
※認定司法書士は、法務大臣の認定を受け、140万円以下の民事事件について代理権を持ちます。

本記事は令和8年6月時点の情報をもとに、当事務所所属の司法書士が確認のうえ作成しています。
最終更新日:令和8年7月3日

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